程なくして、私の後頭部に大きな先輩の手が添えられて、胸の中へと引き寄せられた。 「翠央…。俺にとって大切なのは、鍵じゃない…。お前なんだからな…?だから…もう切なそうな顔すんな。」 ドクン…と大きく鼓動が波打つ。 温かい先輩の言葉に、少し視界が歪んだ。 匠先輩…大好き。 目を閉じて、頬につたう涙の温かさを感じながら、私は笑顔になっていた。