私に背を向けたまま、匠先輩は動かない。


私が帰るの……待ってる?

このまま帰った方がいいのかな…?



でも、いや……
そんなの嫌だよ…。


こんな気持ちの時に、一人になりたくない…。



私は思わず、匠先輩のブレザーの裾をキュッとつまんだ。






「か……帰りたくないです…。まだ匠先輩の傍に居たいよ……。もっと…居たい…。」