「翠央ちゃん、そうやって照れてるところ、可愛いよなぁ。」 扉のところで、留羽先輩がニコニコしながら私を見ているのを視界に捉えた数秒後…… 私の視界が暗いもので遮られてしまった。 フワッと漂う甘く、爽やかな匂いが鼻をくすぐる。 「留羽、お前に翠央の可愛い表情は、これ以上見せてやらねぇから。」 「“これ以上”って…。今、一瞬しか見てないんだけど……。」 留羽先輩の言葉になんて耳を傾けずに、匠先輩は私の背中に手を回すと、ギュッと抱きしめた。