「だから……俺も奪おうと思ったんです。相沢先輩の大切な人。」 壁に両手をついて私をニッと笑いながら見つめた。 じゃあ…… 初めて沖依君と会った時に言ってた“やめた方がいい”っていう言葉の本当の意味は… 私の気持ちを…匠先輩から単に離そうとして言ったことだったの…? 「でも……七瀬先輩って全然動じないから…ビックリしましたよ…。」 そう言った沖依君のブレザーの内ポケットから、何かがヒラリと床に落ちた。 何が落ちたんだろう…? 落ちたものを追って床を見た私は、目を疑ってしまった。