「あの部屋の鍵…、私にとって、運命の鍵なんだ…。偶然拾って、あの部屋に行ったら匠先輩に会って…そこから色んな素敵な出来事があったの…。あの鍵を拾ってなければ…まだ私…、誰にも恋してなかったと思うから…。」



多分……
恋なんて、しなくたって別に不自由しない…。


そんな風に、まだ思っていたんじゃないかな…。



「だからお願い……」



「七瀬先輩は……相沢先輩のどこが好きなんですか?」


「へ……?」


沖依君からの突然の質問に私は瞬きを何度も繰り返した。