「七瀬さん、臣君がちょっと話あるって言って、教室の前まで来てるよ?」 一日が終わり、沖依君の教室に行こうと帰り支度をしていた私は、クラスの女の子にそう言われて、慌ててカバンを持って廊下へと出た。 飛び出してきた私に、沖依君はニッコリと爽やかに笑いながら、手を振る。 鍵…… 返してもらえるのかな…? 駆け寄ると沖依君に手を握られた。 「ここだと人も多いですし、静かに話せる場所に行きましょうか。」 沖依君に手を引かれて、私は教室から離れた。 でも、静かな場所って…どこ…??