「翠央、こっち見て?」 匠先輩に甘い声を掛けられるものの、やっぱり気になってしまう私は、扉の方を見ていた。 だって… 留羽先輩なら、ちょっと無視するってのも申し訳ないし……。 チラチラ扉に目をやる私を見て、匠先輩はフウ…と息を吐いた。 「仕方ねぇな…。用件だけでも聞くか…。そうじゃねぇと、俺も翠央に集中出来ねぇから。」 ソファーからおりた先輩は、スタスタと歩いていき、扉を開けた。