良かった…、受け取ってもらえて…。


「それじゃあ、私…匠先輩の勉強の邪魔にならないように、今日のところは……ひゃっ…」


帰ろうと扉の方に体を向ける私を先輩に抱き寄せられた。


「まだ居ろよ…。」


ドキッと心の飛び跳ねる音が体中に響く。


「で…でも、あんまり長居すると受験勉強に支障が……」


「ねぇよ、全然。翠央が傍に居てくれる方が…、すげぇ心強いし、勉強も頑張れる…。」


そ…そんな風に思ってくれてるんだ……匠先輩。