そ…そうだ! 私、あれを先輩に渡さなくちゃ…! モゾモゾ動き出した私を匠先輩は不思議に思ったのか後ろから覗き込もうとする。 「匠先輩、ちょっと渡したいものがあるんですけど…手を離してもらってもいいですか?」 「俺に渡したいもの…?」 匠先輩のお腹に回されていた手が離れたと同時に私は立ち上がった。 「あの……これ…御守りです……」 スッと匠先輩の前に差し出した。