夕日が水平線へと半分ほど顔を隠した頃、匠先輩は体を離した。


「そろそろ…行くか。翠央も家に帰らねぇといけないんだもんな…。」


ちょっと切なそうに揺れる先輩の瞳を見ながら、コクンと頷いた。


いよいよ終わり…かぁ。


波打ち際まで歩いていく匠先輩を、私は黙って見つめていた。


サラサラと髪がなびいて、夕日色に染まる先輩に、胸がいっぱいで…



先輩への想いが込み上げていく。