「も…もうすぐゴンドラも一番高い所に行きますし…今日は天気もいいですから、景色…すごく綺麗だと思います。だから…見ませんか…?」 匠先輩は、広がる景色にチラッと目をやった… …と思いきや、すぐに私の方へと視線を戻す。 「今……景色は見たから、もういいよ。」 えっ、ほんの一瞬でしたよ!? み…“見た”っていうのかどうか分からない気がしますけど……。 「景色見るんだったら、翠央を見ていたいんだよ…。」 言葉と同時に、頬に触れた先輩の手が、心臓の音のボリュームを上げていく。