「どうした?キョロキョロして…」


「さっきのキス……見られてたのかなぁ…って思って…。あの水槽の所に人…結構いましたから…。」



「…見てたかもな。」


匠先輩はフッと笑った。


や…やっぱりそうですよね…。


一瞬のキスだったとはいえ、恥ずかしいよぉ…。
顔からピューッて湯気が吹き出しているみたい…。



「俺…翠央と一緒にいると、お前のことしか見えてねぇから…。人が周りに居たとか…、誰かが見てたかもしれないとか……それ以前にキスしたかった…。」


匠先輩の優しい笑顔に、体中が熱くなっていくのを感じていた。