「…水族館に行ってみるか?」


匠先輩が私の視線の先にあった水族館を指差す。


「はい…。す…水族館、行ってみたいです…。」


そう答えると、先輩は絡める手を少しだけ強く握った。


「じゃあ、水族館から見に行こうか。歩く速度…もしも速かったら遠慮なく言えよ?」


私はコクンと頷く。



歩く速度まで気にしてくれてるんだ…。



自然と私の歩調に合わせてくれている匠先輩を見ながら、私は嬉しくてニッコリと笑った。