「……!?」

そして見えたのは、血でもなければ、狼の死体でもなかった。

人。

しかも10歳にも満たない幼い子供だった。
「……ゴクッ」

青年は刀の柄から手を離し、生唾を飲みこんだ後、ゆっくりと少年達の肌に触れた。

「…温かい…!!」

それは生きている、という証拠だった。
それでもかなり冷え切ってしまっている二人を青年は自分の着ていた上着を被せ、早足で帰路え向かった。











独りは嫌いだ。

つまらないし、怖い。

本当に自分は今、存在しているのか、分からなくなる。

真っ暗も嫌い。

何も見えない。
確かなのは自分の鼓動だけ。

でも
もし、隣に君がいてくれるなら……


あれ?
君って……誰だろう……?

チュンチュン


何かの声がする。

小さな声だ。

「……ん」

少年はゆっくりと目を開けた。

「ここは…?」

辺りを見回したけど、僕の知っているものはなにひとつなかった。

僕はベッドに寝かされていて、隣には僕と同じくらいの子がベッドで寝ていた。

「お。起きた?」

すると、どこからか僕よりも遥かに背の高い人が現れた。

「……誰?」

「俺?俺はシオン」

「シオン……それが僕の名前?」

「おう!それが僕の………て、待て待て!シオンは俺の名前だからね!」

「?…じゃあ僕は?」

「いや、こっちが聞きたいんだけども」

青年シオンが頭を抱えながら考えていると、もうひとつのベッドからもう一人の少年が起き上がった。