「海が最後に言った言葉がわからなくて、自分を責めることしかできなかった」
「海さんは…最後になんて言ったんだろう?」
「今日…海のお母さんに会ったんだ。墓参りに行ったら偶然…。それで、海が最後に言った言葉を教えてくれた」
「海さんはなんて?」
「うん…。“大翔…愛してた”って…。そう…何度も何度も!!」
堪えきれなくなった涙が頬を伝う。
「なんで“愛してる”じゃなくて“愛してた”だったのか…。俺が海のことを引きずらないように、ちゃんと前に進めるように…」
それなのに俺は、海の最後の願いに気付くのに3年という時間を使ってしまった。
あの日から前に進むことは、海が生きていたことを忘れることだと思っていた。
海はちゃんと俺の中に生きてたのに…。
俺は海がいないと生きていけないと思っていたんだ。
だけど、海がいなくても世界は回るし時間は過ぎる。
俺は生き続ける。

