「大翔…まだ話してくれない?」
海と出会って1ヶ月が経ったころ。
俺はまだ家族のことを話せないでいた。
酒とタバコと女遊びはしなくなった。
というより、する必要がなくなった。
海が俺自身を見てくれたから。
ずっと海に家族のことを隠しているのは正直苦しかった。
だけど、話してしまったら海も俺を腫れ物に触るように接してくるんじゃないかと思うと言えなかった。
裕也は俺が父さんと母さんの子どもじゃないと知ってから、本音を言わなくなった。
そして、俺を傷つけまいと守るようになった。
俺はそんな優しさ…いらなかった。
ちゃんと俺を叱ってほしかった。
甘えてるだけなのはわかってたけど、そうでもしなきゃ苦しくて仕方なかった。

