本気で走った。


 教室まで、あたしの体の中を風が通り抜けていくようで。


 到着したときには、息切れが酷くすぐに声が出なかった。


 肺の奥に痛みが生じるくらいに強く息を吸って。



「あーちゃん…っ!」



 ……声の切迫感に気づいたのだろうか、あーちゃんは振り返ってくれて。


 だけど、周囲の子からは痛い視線が向けられる。


 あーちゃんの視線も矢張り冷たい。



 ここじゃ何も言えない、そう思ったから。



「ちょっと……来てっ!」


「え、ちょっと何!?一香!!」



 あーちゃんの手首を掴んで。


 半ば無理矢理引っ張っていく。



 ………形振り、構ってないなぁ。