五、六時間目、掃除にホームルーム、更には七時間目を経て、珍しくクラス全員が帰ってしまい、あたしは一人で教室にいる。
あーちゃんは、「まぁ気をつけて」と苦笑いを残してから帰った。何に気をつけろというのか。
教室のドアが開く音を、あたしの耳は聞いた。
弾かれるようにあたしは振り返る。予定通りの、瀬能君だ。
「悪い、待ったか?」
「ううん」
首を振ったところで気づいたのは、氷室君以外の男子と二人きりになること自体、初めてだということ。
そう、氷室君が初めてだった。……こんな時に考えることではないはずなのに、あたしの中に嬉しさを溢れさせる。
緊張を誤魔化させる。
そうしてあたしは、切り出した。
「えと、何?用って……」
わざわざ放課後教室に呼び出して告げなければいけないことは、一体何なのか。
あーちゃんは、「まぁ気をつけて」と苦笑いを残してから帰った。何に気をつけろというのか。
教室のドアが開く音を、あたしの耳は聞いた。
弾かれるようにあたしは振り返る。予定通りの、瀬能君だ。
「悪い、待ったか?」
「ううん」
首を振ったところで気づいたのは、氷室君以外の男子と二人きりになること自体、初めてだということ。
そう、氷室君が初めてだった。……こんな時に考えることではないはずなのに、あたしの中に嬉しさを溢れさせる。
緊張を誤魔化させる。
そうしてあたしは、切り出した。
「えと、何?用って……」
わざわざ放課後教室に呼び出して告げなければいけないことは、一体何なのか。


