【完】冷徹仮面王子と姫。

「じゃぁとりあえず、山浦にメールしとけ」


「うんっ!」



 満面の笑みで、頷いたあたし。


 表に戻ろうと、歩き出す。



「あぁ、ただ…」


「へ?」


「……なんでもない」


「えぇっ!?」



 あたしはあーちゃんにメールを打ちながら、批判の声を上げた。


 謎が多いのはいつもの事だけど、気になるし悔しいし淋しいしという。



「じゃぁ、どうする?これから」



 ――――今のは。


 デートに雪崩れ込んでもいいという解釈で、いいのだろうか。



「とりあえずぐるっと、回ろうよっ」



 相変わらずに無断で、氷室君の腕に自分の腕を絡めた。