【完】冷徹仮面王子と姫。

「一香はさ…どう思ってる?王子の“彼女”」


「んー…微妙」



 きっぱり否定して、切り捨てたり出来ない。


 何がどうなっているにシロ、氷室君が受け入れた子だから。


 でもやっぱり、あたしは嫌。


 語彙の狭いあたしから出てきたのは、「微妙」でしかなかった。



「そっかぁ。一香のほうが似合ってる思うんだけどね」



 ふっと目を閉じて、あーちゃんは言う。


 その言葉だけで、嬉しいよ?



「そんなことないよ。こんな凡人」



 ……ずっと引っかかってて、一度は氷室君の言葉でこの不安を拭ってもらったんだっけ…。



 思い出せば、少し苦しくて懐かしい。


 抱きしめられたあの瞬間を思い出した。