止まらない。


 強い安心感を覚えた。


 傍にいてくれる人が一人でもいるから、きっとあたしはまだ大丈夫。



「…大丈夫よ、一香」



 凛としたその声が、あたしの泣き声に紛れて消えていく。


 隣の男子トイレまではっきり聞こえてしまうくらいにあたしの声は大きかった。


 ……誰かが聞いていたなんて。一切気づかずに。



「あんた―――本当馬鹿だわ…」



 どこか温かい。


 あーちゃんの存在が温かい。