【完】冷徹仮面王子と姫。

「何かあったなら話していいのよ?」


「…うん」


「とにかくこのじめじめした空気は何とかして。このままじゃあんたの周りの湿気で爪まで湿るのよ」



 あーちゃんの言い様に、あたしは大きなショックを受けた。


 爪まで閉めるなんて、流石に言われたことは無い。



「全く……泣きそうな顔してるじゃない」



 だって。泣きそうだもの。


 だけどそれを、極力出していないつもりでいた。



「別に泣いたりなんか……」



 尻すぼまりになってしまう言葉。


 誤魔化しきれなければ、とうとう泣いてしまいそうだ。



 指摘された傍から、限界を知らせようとしているあたしの涙腺。