【完】冷徹仮面王子と姫。

 このあまりの淋しさを一人で生める術も分からず、あたしは空を見上げた。



「……なんなん…だよ…」



 ……自分がどうするべきなのかも、なぜこんなことも聞けないのかだって、分からない。


 あたしがずれてるのだろうか。他の子だったらもうとっくに気づいて原因を解決している?



「氷室君…」



 彼女と思ってると、そう言ってもらえたのに。


 持て余すほどの不安。


 一瞬で見えなくなる、二人の関係。



 あたしが教室に戻った時も、視線は会うことなど無く見向きもされない。


 お弁当箱だけ自分の机に置いてから、あーちゃんの席に自分を救急搬送。


 いつものようにぴいぴいと泣きつく。



「……一香、どうしたの」



 少し驚いたような顔。