「母さん。困ってるっぽいから止めといて」


「あら、そう?ごめんなさいね…」



 謝られてしまい、そのまま流されたけれど。


 ………改めて、考える。


 あたしは氷室君のどこを、好きになったのか。



 いつもは冷たいけど、ホントは優しいとこ。


 大事なときに、背中を押してくれるとこ。


 他にも…いっぱいある。


 でもそれは…付き合い始めてから知ったことなんだ。



 何であたしは氷室君のことを好きになったんだろう?


 付き合うことによって忘れてしまう思いなら…悲しいことだね。




 それでもあたしは氷室君のことが好きなんだ。