【完】冷徹仮面王子と姫。

「それはないですよ。それにお父さん、基本的に放任主義なんで」


「そうなの?」



 ……この美形夫婦の発言をまるっと否定する度胸はあたしにはなく、潔く質問にだけ答える。


 思い切り驚かれた。それ程驚くことなのだろうか。



「お前も突っ込んでたじゃないか、恭一に。…三日くらい」


「そうだった?」



 三日というのもあれだなぁ。それもそれでどうなんだ。



「……それで」



 思い出した、とでも言うように氷室君のお母さんはあたしの方を見る。



「一香ちゃん、恭一のどこを一体好きになったの?」


「え?」



 突然すぎた。


 そして何よりも。



 答えがすぐに浮かばなかった。