【完】冷徹仮面王子と姫。

「とりあえず、座って…」



 溜息交じりの氷室君の声。相当呆れているようだ。



「し、失礼します」



 何をあたしは今更、氷室君にまで畏まっているのか。


 しかし氷室君の放つ王子オーラはどうにもならないようだ。



 氷室君の隣の椅子。


 向かい合わずに、肩の触れそうな距離なんて慣れていないから、これだけでどうにもドキドキしてしまう。



 さっきまでの超積極的ともいえるあたしは、どこへ行ってしまったのやら。



「「……可愛い」」



 連呼され、ハモられた。


 対応に、非常に困る。