「はぁはぁはぁ…」


「奈留…」


みんな心配そうに私を見ている。


「奈留、あのね」


「…ごめん。聞きたくない」


私にはお母さんのことを考える余裕なんてなかった。


「すみません、おじさん、おばさん。奈留と2人っきりにしてもらえますか?」


…?


「え…でも…」


「お願いします」


「…わかったわ。よろしくね」


「はい」




ガララ…



お父さんとお母さんは病室を出て行った。


そして、私と翔と…2人きり。


「…奈留」


「…」


「奈留っ」


「…」


「奈留っ!!!!」



翔は大きな声でそういうと、私を抱きしめてきた。