「ハァ―…」

ピアノも終わった…けどもう来てるのかな…

私のこ…婚約者の
近藤和真…さん


「た…ただいまぁ」

「あらぁ
沙良おかえりなさい
もう来てるわよ♪和真君」

「え…いや…そんな事…言われても…
どうしても会わなきゃだめ?」

「だぁめ
もう来ちまったからな」

「ひゃぁ…!」

な、なに?
この人…なんかカッコいいけど…どこかで聞いたような声に…
誰かに似てるような…

「まさか…昨日
沙良ちゃんが
この沙良ちゃんだと思わなかったよ」


え…昨日…?

「昨日…
お会いしましっけ…?」

こんな綺麗な人に会ってたら忘れるはずないし……。

「まだ分からないの?」

「「え…?」」

「お義母さんまで…。


沙良ちゃんは
自分の高校の保健医を忘れたのかい…?」

「保健医…って…
まさか…あの近藤和真先生なの!?」

「うそぉ~いくら同姓同名でもそれは無いよ」

「いや…お義母さん…沙良ちゃん
昨日お会いした自分も今、目の前にいる自分も同一人物です…。」