「こら沙良!
重いもんは持っちゃダメだっていつも言ってんだろ…!」

「これくらい大丈夫!」

「だめだ。
今はお前だけの身体じゃ無いんだぞ!」

そう……。
今、私のお腹には
和真の赤ちゃんがいる。

ちょうど臨月に入ったから生まれるのはもうそう遠くないかな。

和真は私が妊娠したって言ってからずっと過保護の父親みたいになっちゃった。


この子は一体
どんな子に育つのかな………。

男の子かな…
  女の子かな…
元気に生まれてくれればどっちでもいい。

この子が生まれても…
和真と今みたいに
いる時間とか
減らないかな。
…和真に女として
これからも見てもらえるかな…

不安はまだまだ
たくさんあるけど
   それでも……


「沙良―、」

「なに?」


「デートしようよ♪」

「そうだね、
この子が生まれたらあまりデート出来ないしね…」


それでも……
隣に和真がいて、
ここに私たちの赤ちゃんがいるのは

なににも変えられない
大きな幸せ。

だから…
これからもなにがあってもあなたを愛している。
たとえあなたが…
私から離れて行っても……。


「沙良、俺も、
いつまでも愛してる。

…なに驚いた顔してんだよ。


俺はお前の考えてることはなんでも
お見通しなんだよ…。」