酷く、ゆっくりと。 目を開けた。 焦点がまだ定まらず 辺りがぼやける。 長い、長い、 長い夢を見た。 そう思いたいんだ。 そう信じたいんだ。 真夜中、一人で枕を濡らした。 あなたに逢いたい。触れたい。声が聴きたい。 想う度に涙は止めどなく溢れた。 横にあなたがいたなら、慰めてくれたかなぁ? ――夢だと言って。 頭の中で回り続けたたった一言。 誰も言ってくれはしない一言。 これは私の最初で最後の大恋愛を綴った軌跡。