「‥‥…、離れんな。側にいろよ」 少しだけ、腕に力がこもる。 今度は“クスッ”と声を出して笑ってしまった。 その声が聞こえたかは分からないけれど、私を捕らえた腕に更に力がこもる。 私は肯定を示すように、樹の滑らかな胸に頬を寄せた。 小さく首を振り、腕を回す。 「‥…寝るまで、居ろよ」 再び頭上から降る声、 そして私の髪に1つキスをくれた樹は、今度は本当に目を閉じた。 (…、睫長いな…羨ましい) 下から見上げる樹の頬にわずかな光で作られた睫の影をみてそんな事を思う。