「マジで疲れた……。って、ああ柚乃。いたのか」
「こんなに近くにいるのに気づかないなんて……!貴様の目は節穴かー!!」
「ぬあ!?貴様なにをする!?」
すぐ近くから彼の気配を感じる。
柚乃ちゃんとじゃれ合っている彼を見てはすぐに視線を下に落とした。
―――― ドキドキする。
幼なじみで、近くにいることが当たり前の存在なのに。
……どうしようもなくドキドキする。
香水のニオイにも、彼がたてる音にも、声にも。
意識が集中して、それに気づいた瞬間にドキドキする。
―――― あたしはやっぱり祐(たすく)が好きなんだって、自覚する瞬間が一番ドキドキする。
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