危険ナ香リ





 そうして、言い争いをする2人を見て苦笑いをしているうちに飛鳥くんがきて、飛鳥くんもあたしの顔を見て驚いていた。


 でもそれは一瞬で、次には悲しそうな顔をしていた。


 何かを言いたげに口を開いた。


 でも、聞いてきたのは「大丈夫か?」って、そんなことだった。


 ……あたしは、飛鳥くんの言いたいことがなんとなく分かった気がして、でもそこには触れたくはなくて、無理矢理笑顔を作って「大丈夫だよ」と応えた。




「……なぁ、清瀬」

「なぁに?」




 一限目が終わってすぐに、飛鳥くんがあたしに話しかけてきた。


 あたしは視界の中に、柚乃ちゃんがこちらに顔を向けた姿が入り込む。




「放課後、時間あるか?」

「え?」




 なにをいきなり――――と思ったのは一瞬で、そう聞いてくるのは何故なのかがすぐに分かったあたしは、飛鳥くんから目を逸らした。


 どうせ話をするんだろう。


 あたしの目が腫れてる原因の……ううん、それも話すんだろうけど、飛鳥くんが話したがっているのは、




―――― 佐久間先生の……




「ご、ごめん。今日はちょっと」




 あたしは逃げた。


 触れられたくなくて逃げた。


 これ以上、泣きたくないから、逃げた。




「ねぇねぇっ。なんの話してんの?」




 ひょっこり顔を出してきた柚乃ちゃんに、あたしはホッとして視線を向けた。


 誤魔化せると思ったんだ。


 柚乃ちゃんがこの場に入ってくれたおかげで、飛鳥くんとのこの会話がうやむやになると……無くなると、そう思ったんだ。




 なのに、




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