「なっ、なんでそんなこと聞くんですか!」
顔を赤に染めながら、叫ぶようにそう聞いた。
佐々木さんは楽しそうに笑い、そして椅子にもたれかかる。
「面白いからです」
キッパリとそう言った佐々木さんに、ちょっと怒りがわいた。
こっちは全然面白くもなんともないのにっ!
この人、意地悪ってゆうより、無神経だ。
「で。結局どんなところが好きなんですか?」
……この無神経図書委員め……。
「佐々木さんには、関係ありませんからっ」
“面白い”なんて一言であたしの恋に土足で踏み入る佐々木さんになんか、絶対話してなんかやらないんだから!
それに、そうゆうことはあんまり人に知られたくない。
「もう帰りますっ」
「待ってください」
「嫌ですっ」
「貴方が佐久間先生を好きだと、バラしてもいいんですね?」
クスクスと笑い声が聞こえる。
その声はまるで悪魔のようで……それが影響し、今、あたしの目には佐々木さんの頭から角が生えてきているように見える。
むむむ、と唸りたくなるのを抑え、葛藤する。
あたしが佐久間先生を好きだとバレるのは嫌だ。
せっかく佐藤さんだって黙ってくれてるのに……。
「そんな困った顔しないでくださいよ。悪いことしてる気分になるじゃないですか」
実際に悪いことをしている人が、何を言うんだろうか。
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