……じゃあ、一緒にいてもいいのかな。
まだ、飛鳥くんのことを信じることはできないけれど、それでも、一緒にいていいのかな。
「で?清瀬の答えは?」
「え?えっと……」
「ちゃんと聞かせろよ」
“ちゃんと”って。
まあ、さっきあたしが言った“やだ”って言葉でほとんど飛鳥くんはあたしがどんな返事をするかわかってるんだろうけど。
それでもやっぱり、飛鳥くんと一緒にいてもいいのかなんてことをまた考えだしたあたしは、キョロキョロと視線を動かした。
「清瀬は考えすぎなんだよ」
そう言っている飛鳥くんが、いつかの飛鳥くんと重なって見えた。
あたしの誕生日の翌日の飛鳥くんと、重なって見えた。
その日も、“考えすぎなんじゃないの”って言われた。
……また言われちゃった。
進歩がないなぁ。あたし。
なんて思いながら苦笑して、それから真っ直ぐ飛鳥くんをみた。
「一緒に、いてください」
なんだか、今の飛鳥くんの言葉で吹っ切れた気がした。
「一応聞くけど、それは友達として?」
「うん」
「ん。分かった」
友達が増えたような気がした。
それが嬉しくて、でも離れてしまわないかちょっぴり不安で、……でもやっぱり嬉しい。
……まだ、疑わずにはいられないかもしれないし、飛鳥くんを傷つけることもあるかもしれないけど。
でもごめんなさい。
一緒にいられればそれであたしは幸せなんだ。
我が儘でごめんなさい。
.
