だって、昨日飛鳥くんにヒドいことしちゃったわけだし、気まずいと思うのは仕方がないことだと思う。


 せっかく“頼れ”なんて優しい言葉をくれたのに、あたしは勝手に壁を作ってしまった罪悪感のようなものが胸に巣くった。


 ……でもその罪悪感があってしても、あたしは飛鳥くんを信じるなんてことは、できない。




「な、なにさ。飛鳥には関係ないじゃんっ」




 どこかぎこちない笑い声を聞かせながらそんな風に毒ついた柚乃ちゃん。


 あたしは、黙って飛鳥くんから視線をそらした。




「まあ、確かにそうだな」

「でしょ?」

「だけど……気にくわねぇな」

「は?」




 なにが気にくわないんだろうか。


 なんて考えた時。






「目ぇ逸らしてんじゃねぇぞ、コラ」






―――― 頭を鷲掴みにされて、無理矢理飛鳥くんの方を向かされた。






「ヒッ!?」




 な、なんでなんで!?


 なんであたし頭鷲掴みにされてるの!?


 てゆうか、飛鳥くんの顔、すごく怖いんですけど……!!




「ちょ、なにしてんの飛鳥!」

「なんかイラッとした」

「そんな理由で頭鷲掴みだなんて、あんたはガキか!?」




 い、イラッとしたって、さっき言ってた目を逸らしたこと?


 え、目逸らしちゃいけないの?


 って、まだこの手離れてくれないの!?


 な、なんか本当に怖い!




「おい」

「ヒィッ!?」




 なぜか凄んできた飛鳥くんに、あたしは怯えるしかない。


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