授業中で静かな学校に着くと、まず最初に、授業を見守っていた校長先生と鉢合わせた。
それから校長先生に連れられて職員室まで行ってこってり叱られて……。
うつむくあたしと、適当に返事をする飛鳥くんにしばらく怒鳴り声を浴びせ続けていた生徒指導の先生は、チャイムが鳴ると同時にため息をはいて解放してくれた。
怒られて気分が落ち込んだあたしを慰めてくれる飛鳥くん。
そうしていると、いつの間にか教室に着いた。
「恭子!!飛鳥!!」
一番最初に気づいたのは、祐だった。
大きな声を出したせいで、みんながこっちを振り向いた。
み、見られてる。
みんなががっつりこっちを見てきている。
恥ずかしくってうつむくと、祐が近づいてきた。
「一時間目終わっちまっただろうが!サボリか?どっかでうまいもんでも食ってたのか!?」
「うるせぇ。声がでけぇ」
うつむいててもみんなの視線を感じるのはなぜなんでしょうか。
やばい。逃げたい。非常に逃げたくなった。
「2人で一緒にサボるなんて……もしかしてデキてんじゃない?」
「まっさかー。だって、飛鳥くんと清瀬さんだよ?似合わないって」
そんな声が聞こえてきて、さらに顔をあげづらくなった。
声の主が誰か、すぐに気づいた。
……佐藤さん達のグループだった。
あたしをバカにしたような笑い声が聞こえて、堪えきれずに席に戻った。
なんか気を紛らわせなくっちゃ。
そうだ、英語の予習でもやろう。
……だけどやっぱり笑い声ばっかり聞こえてくるようで、嫌になる。
「うっせぇな!!黙れ!!」
突然聞こえた怒鳴り声に、ビクッと肩を揺らしたのはあたしだけではないはずだ。
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