「って、ごめん。気まぐれってのは嘘だから。んなあからさまに落ち込むなよ」
どうやら、あたしはあからさまに落ち込んでいるらしい。
飛鳥くんが慌てる様子が見えて、なんだかその様子が珍しくて見入ってしまう。
「えーと。そう。いつも掃除１人で頑張ってるから、差し入れ的な」
「さしいれ……」
「……だめだった？」
恐る恐るそう聞いてくる飛鳥くん。
なんだか本当に珍しくって、思わず小さく笑ってしまった。
「ううん。だめじゃない。プレゼント、すっごく嬉しかったよ。ありがとう」
そういって本当の気持ちを伝えた。
「……どう、いたしまして」
飛鳥くんのそう言った時の顔は、ちょっと恥ずかしそうで、それでいて優しい笑顔だった。
その笑顔にちょっとだけドキッとしたのは、……男の人のそんな顔を見たのは、初めてだったから、だと思う。
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