危険ナ香リ




 柚乃ちゃんから祐のプレゼントを受け取ったことから話して、仲間外れみたいになったことまで話した。


 もちろん、美波先輩と佐久間先生が同居していることは言わなかった。


 だって、言ったら監禁されちゃう。




「柚乃が泣いた?」




 そう聞き返した飛鳥くんにひとつ頷いて見せる。


 すると、飛鳥くんは口元に手をあてて黙り込んだ。




「どうかしたの?」

「……いや。なんでもない。それより、清瀬は俺がプレゼント渡した理由、聞かねぇの?」

「あ」




 そういえば、聞き忘れてた。


 あたしの表情を見てそれを読み取った飛鳥くんは、小さく笑っていた。




「意外とうっかりしてんだ」

「た、ただ忘れちゃっただけだよ。……あの、それで」

「ああ、プレゼント渡した理由な。……気まぐれ?」

「気まぐれ?」




 え、そんな理由?


 いやでも、飛鳥くんがあたしにプレゼントだなんて、気まぐれだとしか思えないかも。


 ……でも、気まぐれって……。




「なんとなく恥ずかしくて祐からってことにしちまった。やべ。祐に知れたら殴られそう」




 なんか、疑問は解決したけど……気まぐれって……。


 気まぐれなプレゼントに喜んだあたしって……。


 ……飛鳥くんから見たら、よっぽどバカに見えたんだろうなあ。


 なんだか悲しくなってきた。


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