「……は?」

「だって先生、優しく“頑張れよ”って言ってたし」

「普通だろ」

「顔がにやけてました」

「アホ。にやけてないっての」

「ロリコンだし、その上女たらしだから、どうせ美咲ちゃんに手を出そうって魂胆なんだ」

「清瀬、お前な」

「そうですよね。美咲ちゃん、可愛いですもんね」




 ぷいっとそっぽを向く。


 なんだか、喋ってるうちにイラついてしまった。


 なんでこんなにイラついてるんだろう。変なの。






「俺は清瀬のほうが可愛いと思うんだがな」






―――― 爆弾が爆発したような衝撃を受けた。




 勢いよく振り向くと、ニヤリと笑う佐久間先生が見えた。


 な、なんて顔して……!

 いやそれより、この人、なんて罰当たりなことを!




「せ、先生の目はおかしいんですよ!」

「至って正常だけどな。……なあ清瀬」




 するっ、とそんなに長くないあたしの髪に指を絡ませる。


 それと同時に顔を突き出されて、顔と顔の距離が近くなった。


 小さく悲鳴をあけで、少しだけ身を引いた。






「安藤に劣等感なんか感じる必要なんかないだろう?」






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