「あのさ…」

「麻里花?」

「え、うん…」

「どしたの?」

「ちょっと言いたいことがあって」

「あのさ、もしかして、泣いてない??」

「泣いてなんか、ないよ…」

必死にこらえようとする涙が
体を伝わり声が震える。


「っ…私、池本が、好きです」


「え…??」

「引いた?」

「いや、ううん…」


電話の向こうで、
鼻をすする音が聞こえる。

もしかして泣いてるの??


気のせいかな。



「あの、俺も好きだから、付き合ってほしい」