「キスしたこと、怒ってるよな」



「そうに決まってんでしょ!!」



あたしは大声を出したのに気付かなかった。



「あたしの、ファーストキスだったのに、ファーストキスは本当に好きな人と…」



「…ファーストキスだったわけ?」


「…そうだけど」




「そっか」


そのとき、椎葉駿が微かに笑っていたことを



あたしは知らない。