お前は俺に
全てを見せてるかい?

俺の居ない
お前の居る世界の事も

そこでの指の動きや
息遣いの全てを
胸の内の空間に溢れる
想いの色や闇や無を

俺には知り得ない
永遠に知る事の出来ない
お前の大半は俺にとっては
虚像

それを嘘と呼ぶのかと
自問に自答して得たものは



ただ、
信じられるかと言えば
実はそれも違うんだ

だから虚像は虚像
信じる術のない頼りない
繋がりだ

それでいいと思えた時
吐く言葉すらデタラメに
聴こえるようになった

引き換えに理解したのは
自分もまた真実から程遠い
そんなか細い存在だと
云う事で

理解なんてされる訳も
ないのだから
信じてもらえなくていい

そう思ったら自分が
跡形もなく  消えた





笑夜