夏、焼ける太陽に緑焦がし 秋、そよぐ風に落ち葉散し 冬、身を剥がし寒さに耐え 春、咲かす彩りはまた巡る 繰り返すどの姿にも抗わず 覆うどの空仰げど芯折れず ただ光陰に委ね密かに育ち 必ず小さな蕾を花開かせる 開花は永遠と終着でない事 散るもまた永遠ではない事 彼等は知りながら時を待つ 前進も後退もせず寡黙な命 凛としたその姿を見て想う どの季節に今あったとして 蕾を、芽を、心に育てたい 笑夜