眠りに落ちる一瞬を
俺の中の君は見逃さず

止まりかけた思考を揺すり
眠りでなく君へ堕とす

深みに嵌った俺はまた
君の残像を追いかけるんだ

思いおこせる全てを想い
まだ足りない想いを

君への想いを抱えたまま
閉じた目を開かずには

いられなくなる

見えるのは低い天井と
さっき見た心の君の輪郭

ずるいな……と、俺

君はこうして同じように
俺を追いかけたりするかな?

しないように思う
これは被害妄想と言い訳

眠りについていて欲しい
眠らず想っていて欲しい

やはり思考は想いを餌に
振子のように揺れる心臓が

とくとくと胸を打つ

患う俺に一粒の錠剤は月
一粒の睡眠薬を眺め

夢に期待しようか





笑夜