王子様はカリスマホスト

それから1ヶ月。

唯菜は相変わらずホストクラブでバイトを続けていた。

そして、その日はやってきた。

唯菜の両親の四十九日の法要。

ちょうど土曜日だし、学校もなくて都合がよかったのだけれど。

心配なのは、唯菜の様子だった。

前日、早めに仕事を切り上げて帰るという話だったので、その前に様子を見に行った。

そこで見たのは、顔色の悪い唯菜。

大丈夫と笑ってはいたけれど、どこか心ここにあらずの様子なのが、妙に気になった。

両親を亡くして一緒に住むようになって、初めのころこそ涙の跡を見たりもしてたけれど、基本、明るかったし元気だと思っていた。

いつも心配はしていたけれど、毎日ちゃんと学校にも通っていたし仕事もまじめにやっていた。

だけど。

あいつは、まだ15歳の高校生だ。

1人っ子で、両親にもかわいがられていた。

その両親が突然亡くなって、平気でなんかいられるはずがなかったんだ・・・・・。