「そう、叔父さんと一緒に住んでるの。よかったわ。気になってたの。特に異常もないのに1週間も眠り続けてたから、後でまたどこか具合悪くなったりしないかしらって」

その看護婦さん―――三宅さんがそう言って微笑んだ。

「あの、三宅さんはどうしてここに―――」

「ああ、ちょっとね、妹がこの近くに住んでて。同僚と飲んだ後は自分の家まで帰るのが面倒で、よく行くのよ」

そう言って笑ってから。

三宅さんはちらりとお兄ちゃんを見た。

「あら―――誰かと思ったら、お兄さんね」

「え?」

―――何で三宅さん、お兄ちゃんのこと知ってるの?

「よかったわね、唯菜ちゃん元気になって」

「あの―――お兄ちゃんのこと、知ってるんですか?」

「あら、だって―――毎日お見舞いにいらしてたもの」

「―――は!?」

思わず声が裏返る。

お兄ちゃんの方を見ると、ばつが悪そうな顔で俯いている。

「毎日、ですか?」

「そうよ。唯菜ちゃん、知らなかった?毎日―――お昼くらいにきて、4時頃までいたかしら。よっぽど心配なのねって、若い看護師なんて昼近くになるとそわそわしちゃって。毎日楽しみにしてたのよ」

うふふ、と楽しそうに笑う三宅さん。

あたしは信じられない思いで、お兄ちゃんを見つめていたのだった・・・・・。