「今―――凛斗っつった?あんた―――凛斗さんの客なの?まさか、彼女―――?」
「へ?―――や、違うから!彼女じゃなくて、あたしは―――」
慌てて手を振り否定しようとしたその時―――
男の人が手をかけていた店の扉が開き、黒いマントを翻して1人のホストが―――
―――って、お兄ちゃんだ!
びっくりして見ていると、お兄ちゃんは客らしい女性の肩を抱き、店から出てきた。
「それでは、またのお越しを―――」
「凛斗~寂しいわ~。もう、今日に限って仕事が入るなんてついてない~。ねえ、きっとまた電話ちょうだいね!約束よ!」
しなだれかかる厚化粧の女に、にっこりと笑みを浮かべるお兄ちゃん。
「もちろん。冴子さんこそ、他のホストと浮気しちゃだめだよ」
「や~ね~、浮気なんて、あたしがするわけないじゃな~い。じゃ、またね、凛斗。愛してるわ」
そう言うと女は両手をお兄ちゃんの首に回し、その赤い唇をお兄ちゃんの首に押し付けたのだった。
あたしはしばし呆然とその光景を眺め―――
その女が行ってしまった後、凛斗お兄ちゃんがあたしに向き直った時にようやく我に返ったのだった・・・・・。
あたしの姿を見た途端、あの女に向けていた優しい微笑とは似ても似つかないほど険しい表情になり―――
「お前、何しに来た」
その低い声に、隣にいた男の人もびくりと体を震わせ―――
「す、すいません、俺、店戻ります」
と言って、そそくさと店の中へ入って行ってしまったのだ・・・・・。
「へ?―――や、違うから!彼女じゃなくて、あたしは―――」
慌てて手を振り否定しようとしたその時―――
男の人が手をかけていた店の扉が開き、黒いマントを翻して1人のホストが―――
―――って、お兄ちゃんだ!
びっくりして見ていると、お兄ちゃんは客らしい女性の肩を抱き、店から出てきた。
「それでは、またのお越しを―――」
「凛斗~寂しいわ~。もう、今日に限って仕事が入るなんてついてない~。ねえ、きっとまた電話ちょうだいね!約束よ!」
しなだれかかる厚化粧の女に、にっこりと笑みを浮かべるお兄ちゃん。
「もちろん。冴子さんこそ、他のホストと浮気しちゃだめだよ」
「や~ね~、浮気なんて、あたしがするわけないじゃな~い。じゃ、またね、凛斗。愛してるわ」
そう言うと女は両手をお兄ちゃんの首に回し、その赤い唇をお兄ちゃんの首に押し付けたのだった。
あたしはしばし呆然とその光景を眺め―――
その女が行ってしまった後、凛斗お兄ちゃんがあたしに向き直った時にようやく我に返ったのだった・・・・・。
あたしの姿を見た途端、あの女に向けていた優しい微笑とは似ても似つかないほど険しい表情になり―――
「お前、何しに来た」
その低い声に、隣にいた男の人もびくりと体を震わせ―――
「す、すいません、俺、店戻ります」
と言って、そそくさと店の中へ入って行ってしまったのだ・・・・・。

