ひとつだけ、あたしは叔父さんにどうしても聞きたいことがあった。

「ねえ、叔父さん」

「ん?なんだい?」

叔父さんは自分のコーヒーを入れ、テーブルの席に着きながらあたしの方を見た。

「お兄ちゃんのことだけど―――何のバイトしてるの?」

その言葉に、ぎくりとする叔父さん。

昨日もそうだったけれど。

なんだか、あたしに隠し事をしているのはわかる。

人の好過ぎる叔父さんは、嘘をつくのが下手だ。

「夜のバイト、なんでしょ?別に悪いことしてるわけじゃないんだし―――これから一緒に住むんだったらそれくらい知っておきたいよ。ね、教えて?」

それでも叔父さんは汗をかきながら困った様子でそわそわし―――

あたしがそんな叔父さんをじっと見つめていると、やがて観念したように溜め息をついて、口を開いた。

「できれば―――唯菜ちゃんには知ってほしくなかったんだけどね」

「どうして?そんなに変なバイトなの?」

「変ってわけじゃ―――その・・・・・」

「何?」

「―――ホスト、なんだよ」

「―――え?」

「凛斗は―――ホストのアルバイトをしてるんだ」

その言葉に。

あたしは文字通り固まってしまったのだった・・・・・。