でも、極度に学校に行きたがるちっさに、わたしは勝てなかった。

戦意喪失、ってやつかな。

体の弱いちっさの心は、こんなにも強いって思ったら。



ちっさになんにもいう言葉が見つからない。


ああ、あの日みたいに。

泣いてるちっさに、何も言葉が見つからない。

…あの日みたいに。





「進歩ないなぁ…」



ガックリと項垂れてみる。

ちっさは心配する様子でわたしを見る。


「ゆんちゃん。大丈夫…?」


立場替えられて、どーすんの、わたし。


「…ちっさが、だよ…」


わたしの言葉を聞き入れてくれなかったちっさに、ちょっぴり責めた口調で言う。


「あたしは、大丈夫だよ!」


チラっとちっさを見た。

長くって、細くって、サラサラの茶色い髪の毛。

暖かくって、垂れ目でキレイな瞳。

折ったらすぐに折れちゃいそうな、細くて白い腕――



「っ…ばーかっ、ちっさ」

「え?え?!どーしてー??」


ちっさは意味がわからないと言ったように、あたふたする。


「…」


わたしはノーコメント。